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オバケ度…
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20〜80% |
| 特定状況で「出る」 ? |
相手無差別に「出る」 ? |
| 会話は不可 × |
独自の論理 ? |
| 異形の姿 ○ |
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さまざまな鬼
鬼とはなんだろう、という問いに答えられる人はいないはずだ。
なにしろ、鬼は古いオバケである。「おに」という言葉には、さまざまなイメージがてんこ盛りに乗っていて、ひとつの像をむすぶのが難しい。鬼とは奇怪な姿をした邪悪な化け物でもあり、成仏できない霊が仮の形をとったものでもあり、「鬼っ子」などの用法に観られるような、メインストリームからはずれた生き方をして、社会を当惑させる存在のことだったりもする。
体が大きく、角を生やして棍棒を持った赤鬼、青鬼は、もっぱら昔話に登場するキャラクターである。このタイプの鬼としては、浜田廣介の童話、「泣いた赤おに」が印象に強く残っていて、おそらくこれが私のこのタイプの鬼のイメージの原点である。昭和8年の名作。「鬼の目にもなみだ」ということわざは、実はこの本を元にしたのではないかと思ってしまうほど、時代に流されない確かな価値をもっている。ファッション用語でいうならば、こういうのは基本中の基本、真っ白い木綿のシャツかなんかに相当し、当然「トラッド」と呼ばれる。
「おかしなものを見てきたよ。」
「なんだい。きつねのよめいりか。」
「おにが、立てふだ立てたのさ。」
どうです。音読したときのリズムもすばらしいでしょう。私自身は引越しを重ねているあいだに本をなくしてしまったのだが、また買って手元においておきたい一冊である。読んでない人は、いまからでも急いで読むように。
鬼婆のイメージ
一方、般若の面に代表される、鬼婆タイプの鬼も忘れてはならない。イメージとしては、こちらのほうが強烈だ。なにしろ怖い!
能面というのは、多くは曖昧な表情でどんな風にも感情移入できるように作ってあるのだが、こいつは特別にひたすら恐ろしい。眉間のしわの寄り方、頬骨のごつごつと目立つこと、口は大きく裂けて、牙が並んでいる。当然、頭のてっぺんには長い角が二本生えている。感情の高ぶりの頂点で凍ったような顔である。しかし、能面特有の何考えてんのかわかんない特性は失っていない。これだけ怖いと、文句なしの大傑作だといえるだろう。
般若は、女性の嫉妬と憤怒が濃縮精製されるとこういう表情になるのだという見本になっている。これを見た女性たちは、自分もあんな風になっちゃったら大変だと、嫉妬の感情を抑えようとするわけだ。抑えたくらいでおとなしく収まるのならたいした嫉妬ではないわけだが、それはまた別の話。
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嫉妬は女性の属性だということになっているが、男性の嫉妬も、女性に勝るとも劣らずものすごいもんで、当然濃縮精製妖怪化できるはずだが、それもまた別の話。
そして、同じ鬼でも、なんで女性の鬼はたいてい怖いイメージが先行し、男性の鬼にはやさしいイメージがよくみられるのか、それも別の話。
鬼が死ぬ酒
少しお酒をたしなむ人なら、「鬼ころし」「鬼ごろし」という名の日本酒を見たことがあると思う。酒を飲む鬼は、おそらく「泣いた赤おに」と同様の、体が大きくて山に住むタイプと思う。酒を飲んだくらいで殺されてしまう鬼なわけだから、大きくて強いがたいしたことない、恐れるに足らない、という感じなんだろうか。
「鬼ころし」はいい名前だとは思うが、実のところ、鬼が死ぬ酒は日本全国に20種類以上ある。銘柄リストを見て数えたことがあるので本当だ。だれも商標登録しないんだろうか。混乱はないんだろうか。「○○県の××酒造の鬼ころし」といちいち言うのは不便じゃないんだろうか。つまらないことが、どうも気になる。
そうそう。鬼というと、歌人馬場あき子の「鬼の研究」という本が知られている。佳作である。筑摩文庫版は比較的入手しやすいので、お好きな向きには一読をお勧めしたい。「研究」という名前ではあるが、情報が多くて勉強になるというよりも、鬼を題材にして展開される世界の万華鏡のような拡がりに恐れ入る、という感じの本である。
というわけで、鬼については、まだまだいろいろ考えることがありそうだ。
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