047 ゴーストタウン

窓ガラスの向こうに、人が住んでいたときそのままの状態に放置された雑貨屋さんや、小学校の教室が見えます。教会があります。郵便局があります。町はずれに金の精製をしていたという工場が見えます。

ゴールドラッシュで沸き、でもたったの5年で盛りを過ぎ、その後一世代は人が住んだのだけれど、次の世代は残らず、そして誰もいなくなった、という場所。一時は1万人住んでいたと看板の説明にありました。現在は、ゼロ。

ゴーストタウンという言葉から、荒れた、ちょっと怖いかもしれない感じを想像していました。でも、そういうんじゃありませんでした。人っ子一人いない町、っていうところからは、もうちょっとさびしい感じを想像していました。それも違いました。

実際その場に立った印象はもっと端正なもので、ドライフラワー的、とでもいいますか、そういう、見る側のセンチメンタルな感情の付与を受け付けない乾いた美しさでした。

写真を少し撮りました。たまにこういうゲージツっぽいのを撮ると、照れますね。

サンフランシスコから多分車で6時間ぐらい、ヨセミテ国立公園の東側にあたる地域にある、ボーディというところです。現在は史跡公園として運営されていて、アメリカ有数の、よく保存されたゴーストタウンだそうです。周囲には見事に何もありません。グーグルの衛星画像でごらんください。

カリフォルニアには、もうひとつキャリコという有名なゴーストタウンがあり、そちらはテーマパークとして開発されているのだとか。それはそれで楽しそうです。西部の荒くれものが憂さを晴らした酒場、なんていうのが再現されているに違いありません。そのうち出かけてみたいものです。行ったら報告いたしましょう。

また。


2007年6月

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