031 生命あるパイ 2
マザーグースのからすパイには、神話的解釈を徹底的に拒む、つまらない説明があります。
イギリスのパイは、上下の皮で中身をはさむ形に作られます。これをオーブンで焼くと、具の水分がぶくぶくと煮だって、上下の皮の隙間から汁が漏れ出し、オーブンの中がべとべと焦げ付くだけでなく、できあがりのパイの見栄えも悪くなります。これを防ぐため、 パイの皮に穴を開けて蒸気を逃がし、かつ皮の中央がどよーんと下がるのを防ぐ小さな道具が考案されました。
こんなんです。陶器製。高さ10センチ程度。これをパイの中へ仕込んで、上の部分を外へ出しておく。
蒸気が穴から出てる感じが、鳥が上を向いてさえずっているように見えるので、pie birdと呼ばれ、鳥の形に作られることが多かったそうです。なんでもコレクターもいるそうで、古いものは結構なお値段がつくのだとか。
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で、王様用のパイは王様サイズなので、パイバードが24個も必要なほどの大きさであった、と。
え〜! なんたる合理主義。面白さ全滅〜!
でも、マザーグースのほうが、こういう調理器具より古いんじゃないの? っていう漠然とした疑問が残ります。からすパイの詩が文字として記録された資料の中に出てくるのは18世紀ぐらいからだそうですが、原型はもっとずっと古くて、少なくとも中世だ、という話です。こういう意味不明の記述は、確かに古そうな感じがするじゃありませんか。
「パイから飛び出す化けがらす」と、「パイをきれいに焼きたいという欲望」の歴史の古さの勝負です。さて、どっちが古いでしょう。
無論、こんな難しいことは、私の手にあまるので、考えるのをやめますけど。
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