018 巨人国、小人国

類人猿の話の続きです。

世界中に巨人伝説や小人伝説があるのを、長いあいだ不思議に思っていました。ひょっとすると、ほんとにいる(あるいは昔はいた)から、目撃した人が仲間に話して、それが子孫に伝わって、伝説になってるんじゃないのかなあ、って。

そしたら、それを、ごくあっさりと説明してくれた雑誌記事がありました。エコノミストの2005年12月24日号。人類の進化の特集号です。記事の冒頭の部分だけ、訳します。

ホモサピエンスが種として地球上にあらわれたとき、彼は一人ではなかった。世界には、すでに巨人やドワーフ、エルフ、トロール、ピクシーなど、人間のように見えるが本物ではない、というより、ホモサピエンスの立場から見れば本物ではない生物が、たくさん住んでいたのである。

うわー、そうか! 考えてみれば当たり前ですが、進化の道筋は、一本じゃないのです。枝分かれがたくさんあって、その中のひとつがたまたま栄えた。初期の人類は、この、言葉も通じないし生活様式も違う人々を、横目で見ながら暮らしていたのです。

山ひとつ越えた向こうには、小さい人たちが住んでいる。その更に向こうの荒地には、大きい人たちが住んでいる。

なんだかファンタジーの本の巻頭にある俯瞰地図を見ているようですが、そんなのがこの時代のアフリカの現実だったわけですね。

うきうきしてきます。

だって、巨人や小人がいてもいい、ってことになれば、ほかの化け物類もどこかにいたかもしれないじゃないですか! 山奥には、ひょっとすると、いまでも誰かが隠れてるかもしれないじゃないですか! ネッシーだって、いるかもしれないじゃないですか!

また書きます。

2006年8月

(この記事、原文読みたい人は、
この号の6ページ、Meet the relativesをご覧ください。
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