007 ばっさり御免

おばけに出会ったらどうするか。「ぎゃー!」って叫んで逃げるのが正しい、という気がします。腰を抜かす、ってのも基本でしょう。ああ、あれはお化けだったんだろうなあ、ってあとからゆっくり気づくのもいい。

ところが、ちょっと前の遭遇談の中には、斬って捨てた、という乱暴な話がちょくちょくある。

年取った飼い猫が化けている。そんなものは飼っておけないから斬り捨てる。夜道を歩いていたら変なものがいる。こいつは河童だな、と斬り捨てる。

もちろん、総数でいけば、日本刀の登場しない出会いのほうがずっと多いのですけれど、気になり始めると「あ、これも」「またあった」というふうにたくさんあるんです。

私は、化け物よりも、こういう思考停止、問答無用型の拒否を可能にする日本刀の切れ味のほうが、やだなあ、と思います。

それに、天狗を斬る話、なんてのは見たことがなくて、お侍に攻撃されるのは、化け猫とか河童とか、そういう小型の、つまり弱そうなお化けだというのも、気分が悪い。

そんな風に感じるのは、ひょっとすると、私は、自分が、斬る側ではなくて、斬られる側に近いと思っているからかもしれません。

ま、「♪おばけは死な〜ない〜」のでしょうから、そっち方面の心配は必要ないのが、いい感じです。

また書きます。

2006年6月


 © 2006 Mieko Mochizuki Swartz. All rights reserved