006 河童と馬

今日は河童のことを考えています。

河童は、子供をおぼれさせることがあるだけでなく、馬を水に引き込む、というのを聞きます。けっこう大事な性質らしいのですが、ここんとこ、よくわかんないのです。

河童とはそういうものなのだ、民話がたくさん残っている、昔の本にそう書いてある。そう言ってしまえばそれまでです。でも、私に思い浮かべることができる河童は、頭の上にお皿があり、楽しそうにお酒を飲んでいたり(黄桜)、きゅうりを食べていたり(きゅうりのキューちゃん)で、馬とは何の関係もない。そこで、河童の馬関連の部分だけ、いつも腑に落ちない。

柳田國男によれば、河童は猿なのだそうです。で、猿は馬を守るという伝説がアジアの各地にあるから、河童と馬は猿を介してつながっているのだ…。どこかで読みましたが、これもなんだかよくわからない。だって、河童の形態は、猿より亀に近いじゃないですか。甲羅のないタイプなら、少しは似てると言ってもいいかもしれませんけど。

もうひとつ、河童より、馬のほうがずっと大きい。そこんとこはどうなってるんでしょうか。河童は人間の子供くらいの大きさでも、人間の大人と対等に相撲が取れるようです。だからといって、馬を水に引き込めるような力があるものでしょうか。妖怪だから、水に入ると怪力なんでしょうか。馬を攻撃する理由も不明です。いたずら、じゃ納得できない。

馬に乗ってじゃぶじゃぶ川を渡ったり、川原で馬を洗ったりする光景がなくなってから、半世紀は経ってます。私に馬と川の関連が実感できないのはしかたない。とりあえず、そうやってあきらめる。でもまた、ごちゃごちゃと考える。そのうちに、ふっと何か思いついて納得したり、本を読んでいるときにヒントが出たりするかもしれません。そういう瞬間のうれしさは格別です。

おばけの話は「なんでもあり」ではありますが、全面的に出鱈目でいいわけじゃないんです。だからこそ、面白い。

また書きます。

2006年6月


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